シャトー・サン・ロー(Château Saint-Lô)とマンシュ県について

フランス北西部ノルマンディー地方マンシュ県の県庁所在地サン・ローで、薬剤師の父と同じくマンシュ県クータンス出身の母の息子として生まれたJean-Baptiste de Rémillyは、事業の失敗により破産して1828年にマンシュ県を離れ、妻Eugénie Monierの生まれ故郷であるボルドーのリブルヌに移り住みました。



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1832年に妻Eugénieが所有するサン・ペイ・ダルマンの土地にブドウの木を植えた彼は、すぐにこのブドウ園に熱中するようになり、頻繁に訪れました。そして時代を先取りして耕作適地や品種を選別したことによって、他とは一線を画す存在となりました。

1887年にJean-Emile de Rémillyは祖父の故郷であるマンシュ県を記念して自分のワインをサン・ロー(Saint-Lô)と名づけました。現在も続くこの名称は、19世紀終わり頃から言及されるようになっていました。例えばリブルヌのワインを紹介したガイド「guide Féret des vins du Libournais」の地図の中にも登場しているほか、驚くべきことに在パリ シャム王国領事(5ページにリンク)が同国外務大臣に充てて発送したワインのリストにも含まれているのです。

Jean-Emileは同時にその地に居を構え、現在はゲストハウス(8ページにリンク)となっている美しい一軒家を建設したほか、シャトーの庭園を整備しました。

今日でも、マンシュ県にはこのシャトーの熱心なファンがおり、シャトー・サン・ローとノルマンディーの海岸とを結ぶ、創立以来の絆を永続させています。